いきなり見知らぬ開発プロジェクトに放り込まれた時の対処法 | それゆけ西表島

いきなり見知らぬ開発プロジェクトに放り込まれた時の対処法

ソフトウェア開発業界のよくある話として、ひとつのプロジェクトが終わったら、すぐに次のプロジェクトという使われ方をする人が多い。しかも最初から入れるわけではなく、すでに始まっているプロジェクトに途中参加するということも結構ある。

 

 

ソフトウェア開発の現場というのは、ルーチンワークなり、定まった仕事があるわけではなく、猫の手でも借りたいんだけど、簡単な作業があるわけではなくて、新しい人がいきなり入ると構ってもらえないということが多い。そこで、いきなりプロジェクトに放り込まれた場合の対処法について考えたい。

 

 

最初に認識しておかないといけないのは、いきなり放り込まれる時点で、プロジェクトが切羽詰っていると思った方がよいということだ。余裕のあるプロジェクトは人に余裕があるので手伝う必要がないからだ。

 

 

また、実力がわからないうちは誰もかまってくれない。何を任せていいかわからないし、スキルレベルは話を聞いてもよくわからないからだ。といっても、いきなりさらりとプログラムを書いてみせるというのも難しい。目に留めてもらうためには、まずは会話からである。

 

 

例えば、会話の端々に出てくる専門用語をうまくコントロールできるかどうかで、理解度がわかるというものである。当然、わからない用語が出てくると思うが、「ソフトウェア開発業界内での共通用語」と「組織/業務における専門用語」の2種類を区別できていて、前者がうまく扱えていれば、後者は教えてくれるだろう。前者については質問すると素人と思われ、後者については質問しないと素人と思われるので注意が必要だ。

 

 

最初は、仕事が与えられなくて暇かもしれない。しかし、ここで仕事をくれくれとせがむのも考えものだ。タスク割り振りする人は忙しいので、新しく入ってきた人に仕事をくれと言われても仕事の説明をする時間がなかなかとれないからだ。手持ち無沙汰でも、じっと我慢して本を読むなりして相手が暇になるまで待つのも仕事だ。

 

 

暇なら、業務に関係ありそうで、かつ1人でできるものを勝手に作って、評価してもらうのもよい。手当たり次第に今まで書かれたドキュメントを読み込んで、誰に聞かれるまでもなく当初の目的と現在の内容との乖離(ギャップ)を把握してみよう。

 

 

他の人はみな忙しく仕事をしているので、ドキュメントを振り返ったり、仕様に立ち戻ったりということをあまりしていない。一番状況を把握できる立場にいるのである。このチャンスは有効に利用しないといけない。全体を把握して、適切な状況説明ができれば、もう勝ったようなもんである。

 

 

まずは信頼関係を作ること。実力あっても、信頼されていなければ仕事は任せてもらえない。待っているだけではなかなか信頼も獲得できないし、自分の実力も発揮できないということだ。まだスキルが足りなくても、信頼されていれば教えてくれることもあるだろう。

 

 

急にプロジェクトに放り込まれても、慌てず騒がず、落ち着いていれば、それだけで一目おかれるような気もするけれども。生き生きしたソフトウェア開発プロジェクトになるように心がけましょう。