プログラマしかいない開発チームは、ドラクエでいうと戦士ばかりのパーティってことだ | それゆけ西表島

プログラマしかいない開発チームは、ドラクエでいうと戦士ばかりのパーティってことだ

小規模なソフトウェア開発プロジェクトだと、集められるスタッフは、プログラマばっかりということがある。プログラムを作るのだから、プログラマが必要なのはその通りだが、それ以外の工程もいっぱいあるのだ。

プログラマばかりで開発するということは、プログラムは当然プログラマが書いて、HTMLもプログラマが書いて、SQLもプログラマが書いて、サーバ環境もプログラマが設定して、テストもプログラマがやって、ドキュメントもプログラマが書くということだ。

だいたい、そういう場合はどこかでうまくいかなくなるか、稀になんでもこなしてしまうスタッフが1人いるために、なんとなくうまくいってしまうことがある。

前者の失敗した場合は、専門家が必要だよねということになりやすい。後者のなんとなく成功した場合は、成功体験があるだけに性質が悪い。次回も同じようなやり方をして、うまくいかなかった場合は、スキルのあるスタッフがいないから失敗した、と責任転嫁しがちである。

俗人的だとか天才的なスタッフがいないと成功しないとか、そういうことをいう前に、もう少しプロジェクトの人員構成を考えた方がよい。

プロジェクトを通して必要な人員は最小限でよく、後は必要な時に必要な職業の人を活用すべきである。すでにフレームワークがあるなら、プログラマは専属で必要なく、本当に必要なのは定義ファイル等をメンテナンスして、サービスが正常に動くかどうかを確認する定義ファイル管理者かもしれない。

ただ、現実には必要な人を必要な時に活用するのは難しい。酒場に行けばいつでもスタッフを変更できるゲームとは違う。スキルのある人は抱えつづけていないと、すぐに他社に取られてしまう。どうやってスキルのある人とコネクションを張りつづけるか、というのも会社の資産の1つとなるだろう。

また、プロジェクトに必要なスキルをもう少ししっかり見極めて細分化して求めないと、雇う側と雇われる側のミスマッチが広がるばかりである。どういうスキルは即戦力で必要なのか、どういうスキルは社内で育てるのか。その戦略もないまま、スタッフに丸投げでは会社に何も残らない。

何でも出来る人は確かにコストパフォーマンスがいいが、そういうすごい人がいなくても、なんとかプロジェクトが回るようにしないといけない。必要なスキルを集めて、プロジェクトを成功に導く。これはスポーツや映画でいうところの監督にあたる人なのだろうか。

監督不在、これが今のソフトウェア業界の現実かもしれない。まずは現場監督である。それはプログラマの上位スキルではなく、まったく別のスキルであるということを理解して、さっさと新人のころから教育する方がよい。

大卒から働かせて、5,6年IT業界に残った人を監督にするというキャリアパスでは、いつまでたっても人材不足が解消されない。スキル標準もいいが、そのスキルを身につけた人を活かす人材がいないと意味がないと思うのだが。