スケジュールの遅延をなくす気があるか? | それゆけ西表島

スケジュールの遅延をなくす気があるか?

コミットメントは約束するということ。ソフトウェア開発なら、プログラマが「この日までには必ず仕上げます」と約束するわけだ。

ただ、趣味とは違い仕事の場合、「この日」が余裕のある日かというとそんなことはなくて、大概の場合ぎりぎりなのである。なぜぎりぎりなのかというと、ぎりぎり間に合うと思われる規模に仕様を落とし込むからである。

しかし、ぎりぎり間に合う見積りが正確かというとそんなことはなく、だいたいスケジュールは後ろに伸びていく。伸びていくが納期が決まっているため、夜間と土日が埋まっていくといういつものパターンにはまるのである。

それならぎりぎり感をなくして、バッファ(余裕)分を加算してスケジュールすればいいと思うかもしれないが、顧客からの期待が圧力(プレッシャー)となり、余裕を省いて約束してしまうことがある。

また、バッファを入れれば大丈夫かというと、そのうち顧客も学習してくるので、バッファを削りにかかる。もう一声ではないが、お互いに手の内がわかるとろくなことがないといういい例だ。顧客が削らなくても社内の上司や経営者が削ることもあるのだ。

かくしてバッファは削られ、ぎりぎりのスケジュールが敷かれると、デスマーチとまではいかないが、残業続きということになる。そして疲弊する。35歳定年説も案外このあたりに問題があるのかもしれない。

一番の原因は何か? バッファ(余裕)という言葉が主因のような気がする。余裕ではないのだが、余裕=無駄に見えるのでいらないと思われてしまう。何かいい言葉はないのだろうか。言葉1つでソフトウェア開発が大きく変わるのかもしれない。

どうも余裕があるとサボるとか、余裕を使い果たすのは悪とか、そう考えてしまうのかもしれない。国の予算のメタファーが使えそうだ。ということは予算のうまい運用の仕方を模倣すれば、ソフトウェア開発のスケジュールにも使えるかもしれない。

ぎりぎりと思っているところが実は全然ぎりぎりではなくて、ちょっと余裕のあるぐらいが本当のぎりぎりなのだ、という認識でスケジュールを引かないとだめだ。自戒の意味もこめて。