ソフトウェア開発はアイデア出しの連続 | それゆけ西表島

ソフトウェア開発はアイデア出しの連続

著者: 高橋 誠
タイトル: アイデアが面白いほど出てくる本―これだけは身につけたい16の手法

---
問題解決には、基本として4つの手順・ステップがあります。「問題設定」、「問題把握」、「課題決定」、「課題解決」の4つです。
問題設定とは、何が問題なのかを明確にして絞り込むことです。次に問題把握とは、問題に関係するさまざまな情報を集めて、問題点を探し出して、解決するべき問題点では何が重要かを絞り込むことです。そして課題決定とは、絞り込んだ重要な問題点を元に解決すべき課題を決めること。最後の課題解決とは、さまざまなアイデアを出して課題の解決を考える。それが4つのステップです。
---

アイデアを引っ張り出してまとめる、というのはソフトウェアを開発するにおいて、避けては通れない話である。あるアイデアが劇的な速度向上を生んだり、劇的なコスト削減に結びつくこともある。言われたことだけをこなすという意識では、なかなか生き残れない。

もちろん、プログラムを実際に組む時ではなくて、もっと前の企画段階から設計段階までの各段階において、多種多様なアイデアが必要になるのである。逆に言うと、世の中に出回っているソフトウェアを追い抜くために、アイデアを出して、類似ソフトウェアを出し抜く必要がある。

そして、このアイデア出しという概念は、ソフトウェア開発をする会社には決定的に欠けているといっても過言では無い。ソフトウェア開発会社は提案力が弱いとかいろいろ書かれていることがあるが、それもそのはず、仕事を割り当てられたSEやプログラマが、過去の経験や思いつきで提案しているというような状態だからだ。

チームでまとまって、この本にあるような方法論を使ってアイデアを引っ張り出すということを行うと、仕様の抜けも減るし、より高度な提案も可能になるかもしれない。1人ではなかなか思いつかないようなことがチームなら出てきやすい。出てきやすくするための方法論でもある。

また、コミュニケーションツールとしても当然利用可能である。開発における疑問点や問題点も、どう質問したらいいかわからない場合等に、発言を引っ張り出すような使い方も効果的だ。

職業柄、コミュニケーション下手というか、なかなか仕事上の質問もできないというような人も多いのだが、どうコミュニケーションを取るか、というのもアイデア出しの方法論で解決できるのではないだろうか。

こういうのはあんまり学校で習わないので、慣れてない人は最初は思いっきり戸惑うかもしれないが、慣れてくると脳みそが活性化してくるだろう。いろいろ試してみると、チーム全体のレベルアップが簡単に出来るかもしれない。変にセミナーとかに出席させるより、費用対効果が高そうである。