ソフトウェア開発業界では括りが粗すぎる | それゆけ西表島

ソフトウェア開発業界では括りが粗すぎる

ソフトウェアとは、仕事で使うと限定すると、ほとんどがコンピュータと人がコミュニケーションするための道具であるといえよう。ソフトウェアはコミュニケーションツールなのだ、とここでは言い切ってしまおう。

人と人は会話する。同じ言語で同じ地方にいれば、間に通訳を挟まなくてもまぁだいたいコミュニケーションが取れるだろう。言語が違えば通訳を雇うことになるが、当然のことながら、両者の言語を専門に扱う人が必要になる。

日本語を扱う医者と中国語を扱う医者が会話をする場合、日本語と中国語の通訳ができて、医学の専門用語を知っている人が必要になるということだ。

ソフトウェアは、人とコンピュータをコミュニケーションさせるツールであると冒頭で述べたが、コミュニケーションを円滑に行うためには、同じようにその人(会社)の業務を知っていて、コンピュータをコントロールするための言語が知らないと話にならない。

しかし、ソフトウェア開発業界というのは、コンピュータ用の言語には詳しいが、業務知識の方はさっぱりというお寒い状態でもなんとかなっているのが現状である。

なぜそうなるのかというと、「ソフトウェア開発業界」といつまでも一括りだからである。業種が違えばソフトウェア開発内容も全く異なる。仕様の漏れがなくならないのは、業種によるノウハウの蓄積も何もなく、別の会社がまた1から考えるからである。

違うことをやっているのに、ソフトウェア開発というグルーピングですませてしまっていることが大問題なのだ。ソフトウェア開発会社毎に何かの業種に特化する必要はないが、せめて業種毎にノウハウを共有できる体制にしないと、よりよいものをより安く提供することはないだろう。

今はどの会社がどの業種に強いのかすら、誰もわからない。わからないから大手ベンダーに相談してしまい、大手ベンダーでは自社で対応できないと、下請けに出すしかない。そんな業界構造は21世紀には似合わない。