映画とプログラミング | それゆけ西表島

映画とプログラミング

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

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くろねこ亭-ハウルの動く城のページより

ハウルの動く城についてのインタビュー中の宮崎監督のコメント。

宮:スタッフと討議して映画を作るのは不可能です。僕は「こういうふうにします」としかできません。

この言葉を見て、まだ世の中にないものを作るという行為は、討議とか会議とかで決めるものではないのだと実感した。

見えないものをどうにかして形にする、このどうにかする部分は積み上げではなかなか作り出せない。個人の発想や直感に頼る部分が多い、俗人的な部分であるが、俗人性を排除してしまっては、世の中にまだない新しいものを作り上げることはできないと思う。

システム設計も、コアとなる部分はやはり何人かで決めるというよりは、1人がきちっと決めた方が上手くいくことが多い。逆に言うとある程度設計できるような人が1人以上いないようなプロジェクトは初めから危なそうということでもあるが。

オープンソースなプロジェクトでも、企業内の開発プロジェクトでもそうだと思うが、最初からチームでどのように作るかを話合うということをやってもうまくいかないのである。

ベースなりフレームワークなりがある場合はまた違うだろうが、何もないところから全員であぁだこうだいうよりは、まずは個人を走らせてみるのが大事ではないだろうか。

余裕があれば、2~3人をそれぞれ別々に走らせて、プロトタイプ開発をさせてもいいかもしれない。無駄と思われるかもしれないが、同じ仕様で違った生成物を見て、違うアイディアからお互いに触発されるだろう。

チーム開発は、個人のアイディアを平均化させすぎてしまう傾向にあるように思うので、もう少し俗人性をいい方向に発揮させてみることも考えてもいいのではないだろうか。

もっとも、評価する人間が価値を評価できなければまったく意味がないのだが。